ウブロは2026年09月01日、ビッグ・バン オリジナル ソフトタッチを発表した。オールブラックとオールレッドの2種があるなか、ONDO WATCHが見るのは黒を色だけでなく触感へ広げたオールブラックだ。チタンへベルベット調の黒いラバーを一体化し、ケース、ベゼル、文字盤、ストラップを同じ素材感でつなぐ。本稿は公式発表と製品ページを照合し、実物に触れた評価ではなく、構造と仕様から黒の作り方を読み解く。
黒は塗装ではなく外装の構成になった
新作の中心は、チタン製のケースとベゼルをベルベット調の黒いラバーで覆う構成にある。公式発表は、この表情を塗装や一般的な表面処理ではなく、専用工具を使うオーバーモールド工程で生み出すと説明する。細かな表面構造を素材そのものへ組み込み、黒の見え方と手触りを同時に設計した。ケースだけを黒く仕上げる時計と異なり、外装の成り立ちそのものが今回のニュース価値になる。
文字盤にもベルベット調の黒いラバーを用い、カーボンを思わせる模様、立体的なカウンター、同色の見返しを重ねる。全面を単純な平面の黒で塞ぐのではなく、高さと模様の差でクロノグラフ表示を分ける考え方だ。実物の柔らかさや埃の付きやすさ、照明下での反射は資料だけでは判断できないが、公式画像では黒の層が輪郭を作る構成を確認できる。
43ミリへ初代ビッグ・バンの骨格を残す
ケース径は43ミリ。リファレンスは431.RXN.2740.RX.VELで、ケースとベゼルはベルベット調の黒いラバーを一体化したチタン、風防は反射防止処理を施したサファイアクリスタルである。ラグは曲線を強めて滑らかに整え、リューズもラバーで覆う。長方形のプッシャーにはウブロを象徴するラバーインサートを組み合わせ、初代ビッグ・バンの多層構造を現在の寸法へ引き直した。
防水性能は100メートル、10気圧と公式製品ページに記載される。ストラップはベルベット調の構造化ラバーで、ワンクリック交換機構を備える。バックルは黒セラミックと黒く仕上げたチタンの展開式だ。黒い時計では素材の境界が写真上で埋もれやすいが、本作はラバー、チタン、セラミック、サファイアを役割ごとに配置している。寸法の適合や操作感は正規販売店で確かめる項目として残る。
UNICOが黒い外装の中で機構を見せる
搭載するのは自社製の自動巻きフライバック・クロノグラフ、HUB1280 UNICOである。コラムホイールと二重クラッチを文字盤側から見せ、クロノグラフの作動機構を意匠の一部として扱う。公式製品情報は354部品の構成と約72時間のパワーリザーブを示す。金曜日の夜に外して月曜日に戻すような使い方を保証する表現ではないが、約3日分という数値は巻き上げ頻度を考える基準になる。
フライバックは、計測中に停止、ゼロ戻し、再スタートを連続操作できる方式だ。ただし本稿は実機を操作しておらず、プッシャーの重さや針の復帰速度を評価しない。見るべき点は、黒い文字盤の奥へ機構を隠すのではなく、コラムホイールや積層構造を同色の濃淡で浮かび上がらせたことにある。外装の触感と機械の可視化が別々の装飾ではなく、一つの設計として結ばれている。
オールブラック20年目の更新点を見極める
ウブロは2006年にオールブラックの考え方を打ち出し、黒を輪郭と素材の違いで読む表現へ育ててきた。20年後の本作は、色相を変えるのではなく、表面の微細構造と触感を更新軸に選んだ。深い黒のチタン、黒いDLC処理のプッシャー、ソフトタッチラバーを重ね、外観の統一感を保ちながら部品の役割を残す。赤い姉妹モデルとの差は色だけでなく、オールブラックの継続性をどう捉えるかにある。
購入を検討する際は、43ミリの収まり、黒い表示の視認性、ラバー表面の手入れ、ワンクリック式ストラップの交換性を分けて確認したい。公式サイトは選定販売店とオンラインでの展開を案内するが、国ごとの価格や在庫は変わり得るため、本稿では日本での購入条件を断定しない。黒い時計としての価値は、写真の印象だけでなく、異素材の境界が実物でどこまで読み取れるかを確認して判断するのが妥当だ。
